ARTVIVANT:アールビバン

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キャッチ

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あるカップルが展示会に訪れた。二人とも肌は焼けていて、軽装だ。アクティブな雰囲気を感じた。

話を聞いてみる。どうやら、ワンルームマンションで同棲しているらしい。ワンルームの狭さは、住んでみればわかる。ベッドが部屋の半分以上を占拠する。テレビやテーブル、ソファを置けばもう一杯だ。「帰ったら寝るだけの部屋。」そこに二人の宝物を置きたいとのことだった。絵でなくても良かった。趣味だけでなく、価値観を共有できるものが欲しかった。

絵を持ち帰ると、絵を中心に少しずつまわりが変化していった。間接照明、絵を敷く青い布、クリップライトなどなどで飾りつけた。ワンルームに楽しみが増えた。

やがてカップルは結婚することになり、新居を探す。物件の条件は「絵を飾る場所がある」こと。やがて無事に部屋を見つけ、長年住み慣れたワンルームを後にした。すっかり二人の生活に溶け込んだ、絵。観葉植物に、ソファ、テーブル。新居には絵に合わせて調度品を飾った。

後日、展示会に訪れた二人からこんな話を聞いた。

「絵を買ってみて気が付いた。最初はワンルームに絵なんて飾れないと思っていた。でも絵さえあれば全部変わる。絵が部屋を彩ってくれる。」妻はそう言った。
夫が続ける。「絵があるから部屋の空間が変った。それまでは、家の外にしか私たちの価値観を共有する場所は無かったけれど、家の中にもそれがあるんです。」
二人には5歳の男の子がいる。「この子が小学生、高学年くらいになったとき、絵の価値がわかるようになったころに言うのが楽しみなんです。僕たちはこの絵を、ワンルームマンションに住んでいたころに買ったんだよ、ってね。」

二人の思い出がたくさん詰まった絵。絵にまつわる思いで話を親から聞くたびに、子どもはどう思うだろうか。時間をつなぐエピソード。温かい思い出に包まれながら、やがて心の優しい大人になっていくのだろう。

10年以上経ってもお付き合いのあるお客さんはたくさんいる。ある人はこう言った。 「保険のオバちゃんも、車のディーラーも、歯医者も、友達でさえ10年付き合う人ってなかなかいないからねー。」と。

ああ、スゴイなと心から思う。絵は一生ものの買い物だ。それがあるだけで、買ったときのこと、売った人をいつまでも覚えていてくれる。だから長いお付き合いもできる。その人の人生に立ち会える仕事。

1、2年で人生が変わる人はいない、でも5、6年経てば、絵によってかけがえのない思い出ができたり、人生が変わっている人も多い。ラッセンの絵を購入したあるお客様は、その絵の裏側を結婚式のウエルカムボードにした。そこに家族や友人にメッセージを書いてもらうために。絵とともに暮らし、ふとした時にその裏面を見る。大切な思い出が確かに、そこにある。

時間をつなぎ、価値を共有し、人々の絆を生む。私たちの仕事は、絵を通してそのお手伝いをすることだ。

絵が家にあるからと言って、その人の人生が劇的に変わる事はない。ただ、「もしかしたら、あの時絵を買ったから」家族の価値感が変わるケースも、あるのかもしれない。

絵によって、日常生活に新しい価値が生まれる。

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