速水御舟 GYOSHU HAYAMI

  • 「墨牡丹」(すみぼたん)
  • 「紅梅白梅」(こうばいはくばい)

近代日本画の最前線に颯爽と登場し、鮮烈な印象を刻みつけ、当時の日本画界に衝撃を与えた天才画家。

速水御舟の果たした画業は、1人の画家によるものとは思えないほど多様です。しかも、いずれの様式においても、御舟はずば抜けた完成度に達していました。速水御舟という画家を一言で表現するならば、まさしく「天才の日本画家」です。

■画風

日本画壇に彗星のごとく現れ、不滅の光芒を放って瞬く間に散った天才画家・速水御舟。第4回院展での御舟の出品作「洛外六題」を審査員として目の前にした日本画家の大家・横山大観は「こんなにすごいのが出てきては」と絶句し、しばし事査をするのを忘れたと伝えられたほどです。 御舟の作品は、写実を極めた想像を絶する緻密さ、日本画の伝統を脱却した洗練の頂点、文学性、叙情性、宗教性を排し、自然に肉薄することのみを追求し続けた作者の純粋性の結実といえます。

また、多くの評論家が語るように、彼の画壇への登場をもって、大和絵や宗教画の影響を全く受けない新しい日本画が生まれた、日本画の本格的な近代が誕生したという事実は、彼の業績を語るうえで欠かすことができません。
従来の日本画に付随していた伝統や情緒を徹底的に排除し、新たな日本画の進むべき道を、知性的で合理的な方法論によって導きだし、比類なき完成度の作品をつぎつぎと世に送り出した天才・御舟。彼が日本画界に与えた影響は、計り知れないものがあったと、言わざるを得ません。

■プロフィール

1894年

東京浅草に生まれる。

1908年

松本楓湖の安雅堂画塾に入門。

1911年

第11巽画会展に「室寿の讌」を出品、一等褒章を受賞。

1914年

第1回院展に「近村(紙すき場)」を出品。院友に推挙される。

1917年

第4回院展に出品した「洛外六題」が、院展審査員であった横山大観、下村観山らに激賞され、画壇に新風を吹き込む。
この頃から約5年間に渡り、細密な描写と基本色の青を特徴とした作品を数多く発表する。

1927年

目黒・吉田邸にて初の個展を開催。

1930年

ローマ日本美術展覧会の美術使節として渡欧。イタリアで開催された日本美術展に2作品を出品、イタリア政府より勲章を受ける。

1931年

ベルリンで閲催された現代日本画展に「夜の雪」を出品、好評を博す。
同作品は、ベルリン国立美術館に寄贈され、ドイツ政府より、名誉勲章を受ける。

1935年

腸チフスにより突然の死去。享年40歳

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